カウンターチェア選びは、なかなか手強いです。「おしゃれなものが買えたと思ったら、座り心地が悪かった」……なんてことがよく起こります。あなたもご経験ないでしょうか?
カウンターチェアにとって、デザイン性だけでなく、座りやすさも重要な要素です。そして、その「座りやすさ」には高さや座面、背もたれなどさまざまな要素が影響します。
本稿では、おすすめのカウンターチェア5選と、座りやすいカウンターチェアの選び方をご紹介します。あなたも本稿を参考に、自分にぴったりのカウンターチェアを見つけてみませんか?
【おすすめ】座りやすいカウンターチェア5選
さっそく、エア・リゾームで人気のカウンターチェアの中から、座りやすいものを5点ご紹介します。カウンターチェア選びのヒントになれば幸いです。
HOWARD BAR CHAIR (ハワードバーチェア):三次元曲面加工の座面がおしりにフィット
HOWARD BAR CHAIRは、ヴィンテージ感のあるカウンターチェアです。お部屋を「いつまでも居たくなるような落ち着きのあるカフェ」のような空間にしたい方におすすめのチェアですよ。
このチェアは、座面に三次元曲面加工を施し、体圧分散しやすい設計になっています。ウレタンクッションが体を包んでくれますので、座る姿勢が崩れにくく、長時間座っても疲れにくいでしょう。
カラーバリエーションは、PUレザータイプを6色、平織りのファブリックタイプを3色、コーデュロイタイプを3色ご用意しています。どれも品格があり、インテリアの質をアップしてくれます。
後ろ姿がとってもキュートで、使っていないときも「たたずまい」がよいです。インテリアの一部になってくれるデザインと座り心地を両立した、カウンターチェアですよ。
ROVIN (ロビン):ガス圧昇降式でどんな身長にも合わせやすい
ROVINは、デザインと機能性を兼ね備えているカウンターチェアです。上質な空間をつくる高いデザイン性と、やさしく包み込まれるような気持ちよい座り心地の両方を追求しました。
カラーバリエーションは、PUレザータイプを5色ご用意しています。モダンスタイルやインダストリアルスタイル、ミッドセンチュリーモダンスタイルのお部屋にぴったりのデザインですよ。
座面は、中央に向かってくぼみ、おしりや腰を包み込むフォルムです。360度回転できて、座ったまま向きを変えていただけます。フットレストも一緒に動きますので、着席も離席もしやすいですよ。
脚部にはガス圧昇降機能がついていますので、身長に合わせて座面の高さを簡単に調節していただけます。底部の滑り止めは、緩衝材としても機能しますので、床材を傷つけにくくなっています。
Tully (タリー):キルティングPUレザーの座面と天然木の脚がエレガント
Tullyは、ヴィンテージ感を出したいお部屋におすすめのカウンターチェアです。レトロや和モダン、インダストリアル、ミッドセンチュリーモダンなど、さまざまなスタイルでご活用いただけます。
たっぷりウレタンを詰め込んだ座面は、沈み込みすぎないほどよい堅さです。長時間の座り疲れを軽減してくれますので、安定感のある快適な座り心地をご体感いただけるでしょう。
座面の張り地は、キルティングのPUレザーです。革特有のシワや凹凸、光沢を再現しています。重厚感や高級感のある質感ですので、カウンター回りの雰囲気をワンランクアップしてくれますよ。
脚部は、木目の美しい天然木(アッシュ)を使用しています。部材同士の接合部のカーブにこだわり、シックなシルエットを実現しました。上品で落ち着きがあるデザインをお楽しみください。
WEST (ウェスト):クッション性にこだわった快適な座り心地
WESTは、お部屋にやさしい温もりを添えてくれるカウンターチェアです。スカンジナビア(北欧)スタイルやコースタルスタイルなど、シンプルで柔らかいスタイルの空間にマッチします。
座面のバリエーションは、ファブリック2色とPUレザー2色を。天然木を使用した脚部は、ブラウンとナチュラルの2色をご用意していて、6種類の組み合わせの中からお選びいただけます。
座面には板材を使用せず、クッション材の2層構造(ウレタン+ウェービングベルト)を採用しています。じんわり沈むやさしい柔らかさとほどよい弾力を両立した、底つき感のない快適な座り心地です。
うしろ脚の先端がキュッと後方へカーブしていますので、背もたれにもたれかかっても倒れにくいです。また、カーブがコミカルでかわいらしいく、デザインのアクセントになっています。
Beronia (ベロニア):居心地のよいサラサラふかふかの座り心地
Beroniaは、ベロア調の座面がアクセントになっている、レトロ調のカウンターチェアです。シャビーシックやミッドセンチュリーモダンなど、懐かしさを感じるスタイルのお部屋にぴったりです。
カラーバリエーションは、落ち着いた色味の「ベージュ、ブラウン、グレージュ」と、お部屋のアクセントカラーになる「パープル、グリーン」の5色をご用意しています。
座面のクッション材には約7cmの厚みがあるウレタンフォームを使用していて、ふかふかと柔らかい感触です。おしりをやさしく受けとめる座り心地で、くつろぎをサポートしてくれますよ。
サラサラのベロア調の張り地は通気性がよく、オールシーズン快適に座っていただけます。色合いが毛足の向きによって濃く見えたり薄く見えたり、豊かな表情を見せてくれるところも魅力的です。
長時間座っても疲れないカウンターチェアの特徴とは
昨今の新築では、対面型のキッチン(アイランドキッチンやペニンシュラキッチン)が人気です。それに合わせて、カウンターチェアを購入される方が増えています。
とは言え、個人住宅ではこれまでなじみのなかったイスですから、どれを買えばいいのか迷う方が少なくありません。座りにくかったら、あとで後悔してしまうでしょう。
実際、カウンターチェアはスラっとしていてスマートなデザインのものが多い反面、座り心地がシビアです。以下の条件の違いで、座りやすくも座りにくくもなります。
- 高さ
- 座面
- 背もたれ
- 脚
それぞれ、どんなところに注意すればいいのかご紹介しましょう。
「高さ」はカウンターの高さを基準に選ぶ
ダイニングテーブル等の一般的な机は、おおよその高さが決まっています。一方、カウンターの高さはご家庭によってマチマチです。
ですから、そこで使うカウンターチェアは「座面の高さ」が重要な選択条件になります。カウンターチェアの座面の高さは、カウンターの高さを基準にして選んでいただくとよいでしょう。
ちなみに、座面からテーブルの天板の上までの高さを差尺(さじゃく)と言い、適切な差尺は以下の式で計算できます。
差尺 = 座高 ÷ 3 – 2~3cm
座高が分からない方は「身長×0.55」で計算してください。これを当てはめて、身長ごとに適した差尺を計算してみると、以下のようになります。
- 身長150cm:差尺24.5~25.5cm
- 身長160cm:差尺26.3~27.3cm
- 身長170cm:差尺28.2~29.2cm
- 身長180cm:差尺30.0~31.0cm
上述の結果をご覧いただくと分かるとおり、おおよそ「25~30cm」が適切な差尺になります。たとえば、カウンターの高さが90cmなら、カウンターチェアの座面の高さは「70~75cm」程度が理想です。
このように、カウンターで使うカウンターチェアは座面が高くなりますので、足置き(フットレスト)が必須になります。カウンターに足置きがない場合は、足置きつきのチェアを選びましょう。
目安として、床面から座面までの高さ(シートハイ)が50cmを超える場合は、足置きがあるほうが座りやすくなります。
「座面」は体圧が分散され、姿勢を保ちやすい堅さのものを選ぶ
座面は、柔らかすぎても堅すぎても「座りにくい」と感じます。体圧が分散され、かつ姿勢を保ちやすい堅さのものがよいでしょう。
座面の材質は「クッションつき」のものと、木製・樹脂製・スチール製などの「クッションなし」のものがあります。座り心地重視で選ぶなら、クッションつきがおすすめです。
クッションなしのものは座面が堅くフラットなものが多く、体圧が部分的にかかり、長時間座ると痛みを感じやすいでしょう。ただし、以下のメリットがあります。
- 汚れても掃除しやすい
- スタイリッシュなデザインのものが多い
クッションなしのカウンターチェアを選ぶ際は、イス用のクッションをご活用いただくとよいでしょう。
「背もたれ」は腰回りを支えてくれるものを選ぶ
背もたれは、どうでしょうか?―― 座り心地重視で選ぶなら「背もたれあり」がおすすめです。背もたれが腰回りを支えてくれますので、姿勢を保ちやすく、長時間座っても疲れにくいでしょう。
肩甲骨程度の高さの背もたれがあると、しっかり体を預けられます。一方、背もたれが高ければ高いほど、うしろの空間(動線)にゆとりが必要です。
カウンターチェアのうしろに通路がある場合は、少なくとも50cm程度の通路幅が必要です。背もたれが高い場合は、60cm程度の幅があると窮屈感なく通れるでしょう。
「脚」は4本脚が安定しやすい
座面に安定感がないと「座りにくい」と感じてしまいます。ですから、座り心地を最重視するなら、カウンターチェアは「4本脚」のものがおすすめです。
1本脚はスタイリッシュですが、4本脚とくらべるとやや安定感に欠けます。クッション性のある床(カーペットなど)で使用するとさらに安定感が落ちやすいので、注意が必要です。
有名デザイナーのイスに多い3本脚は「ガタつきにくい」という長所があります。しかし、4本脚にくらべて転倒リスクがやや高くなりますので、やはり注意が必要です。
- 1本脚 ⇒ 安定感は底面の面積に依存する
- 3本脚 ⇒ 平面でない床でもガタつきにくい
- 4本脚 ⇒ イスの主流で転倒リスクが低い
カウンターチェアは、重心が高くなりがちです。脚の本数による安定感が座り心地に直結しやすいので、慎重に選んでください。
座りやすい?タイプ別カウンターチェアの注意点
カウンターチェアには、さまざまなタイプのものがあります。
つづいて、以下のタイプのカウンターチェアを、座りやすさの観点から考察してみましょう。
- スツールタイプ
- 折りたたみ式
- 座面昇降式
- キャスターつき
スツールタイプは、動線のじゃまにならず離着席しやすい
スツールとは、背もたれや肘かけのない1人用のイスのことです。背もたれありのイスにくらべて安定感が落ちますので、座り心地重視で選ぶ場合は優先度が下がるでしょう。
とくに、お子さまも利用される場合は、うしろに転倒するリスクがありますのでおすすめしません。一方、背もたれのないイスには、以下のような特長もあります。
- シンプルでおしゃれなデザインのものが多い
- 多少うしろの空間(動線)が狭くても通れる
- どの方向からでも座れるため、着席や離席がしやすい
スツールタイプのカウンターチェアは、上述のような長所と短所を総合的に考慮していただいたうえでご採用ください。
折りたたみ式は収納に便利だが、変形時に注意が必要
イスの中には、変形してコンパクトにできる「折りたたみ式」のものがあります。使わないときは折りたたんで収納しておけるので、キッチンや洗面所などの狭いスペースで手軽に使えて便利です。
折りたたみ式のイスは持ち運びを意識していますので、軽量なものが多いでしょう。このような特徴から来客用として重宝します。数脚をストックされているご家庭が、少なくありません。
一方、座り心地に関しては、折りたためないものに劣りがちです。以下の点にも注意して、選ぶ必要があるでしょう。
- 耐荷重を確認しておく
- 折りたたんだ状態のサイズも確認しておく
- 折りたたみの機構部の安全性を確認しておく
折りたたみ式イスの事故は、可動部の指挟みがもっとも多くなっていて、ケガをした人の大半が子どもです。展開時や折りたたみ時に指を挟まないか、しっかりご確認ください。
座面昇降式は、ご家族の身長差が大きい場合に重宝
座面昇降式のカウンターチェアは、自分に合う高さに調整しやすいでしょう。昇降の機構は、おもに次の2タイプに分かれます。
ガス圧昇降式 | 脚にあるシリンダー内に高圧ガスが封入してあり、レバーを押すことで高さを調節できる。扱いやすく、主流。ガスが抜けると、シリンダーの交換が必要。 |
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スピンドル昇降式 | 座面を回転させて高さを調節する。少し手間と時間がかかるプリミティブな昇降方法だが、無段階で調節可能。インダストリアルデザインのものに多い。 |
昇降式のイスは、ご家族の身長差が大きい場合に重宝します。利用者に合った好みの高さに調節できますので、だれでも快適に使え、ご家族でシェアしやすいです。
また、カウンターの高さを気にすることなく購入できるところもメリットと言えるでしょう。デザインは気に入ったのに高さが合わず購入を断念 ―― といった残念な状況がなくなります。
キャスターつきは移動に便利だが、転倒や床破損に注意
キャスターつきのイスは、座ったままサッと移動できて便利です。オフィスでは、主流ですよね。ご家庭でも、勉強机やキッチン用のイスでキャスターつきを見かけます。
しかしカウンターチェアの場合は、重心が高くなりがちで、キャスターつきは必ずしも「使い勝手がよい」とは言えません。ふらつきや転倒、不意の移動に対して注意が必要です。
ちなみにキャスターつきのチェアは、転倒リスクを減らすため、脚が5又に分かれているものが主流です。4又のものもありますが、安定感を試してからご購入いただくことをおすすめします。
床との相性もあります。とりわけフローリング床は、キャスターで破損(キズや割れなど)しやすいのでご注意ください。マット等が必要になるでしょう。
おしゃれに見える!インテリアに合うカウンターチェアの選び方
カウンターチェアを空間になじませるには、どうすればいいのでしょうか?―― 最後に、インテリアに合うカウンターチェアの選び方をご紹介します。
インテリアのスタイルを統一しよう
お部屋の雰囲気は、イスひとつで変わることがあります。ですから、カウンターチェアを選ぶ際は、インテリア(内装、家具、照明など)の一部であることを意識して選んでみてください。
イスをインテリアの一部と見なすと、インテリアコーディネートが大切だと気づきます。ぜひ、他のインテリアとの調和を図ってください。
では、どうすれば調和を図れるのでしょうか?―― 初心者におすすめなのは、スタイルを決めてインテリアを統一することです。スタイルの例をご紹介しましょう。
- トラディショナル
- アールデコ
- レトロ
- インダストリアル
- モダン
- スカンジナビア(北欧)
- 和モダン
- ミッドセンチュリーモダン
- ミニマリスト
- コンテンポラリー
- コテージ
- リゾート
- コースタル
- フレンチカントリー
- ラスティック
上述のスタイルの中でピンとくるものがあったら、インターネットで検索して画像を探してみてください。たくさんの画像を眺めていると、そのスタイルの特徴が見えてくるでしょう。
一方、スタイルのごちゃ混ぜ(エクレクティックスタイル)はミキシングセンスが必要です。高難度ですので、インテリアコーディネートに慣れていない方はスタイルを統一しましょう。
カラーコーディネートを意識して、色を配分しよう
カラーコーディネートがうまくいくと、インテリアの調和がワンランクアップします。カラーコーディネートのコツは、色の配分に気をつけることです。
空間の色を、以下の3つに分けて考えてみてください。
ベースカラー | 全体の70%くらいを占める基調色。おもに壁や天井に使われる色。一般的にホワイトやオフホワイト系の色が選ばれる。 |
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アソートカラー | 全体の25%くらいを占める従属色。おもに床や家具、ドアなどに使われる色。ブラウン系やナチュラルな木の色が好まれる。 |
アクセントカラー | 全体の5%くらいを占める差し色。小物やオーナメント、花や観葉植物、絵画、クッションなどの色。 |
カウンターチェアの色は、アソートカラーやアクセントカラーに所属します。まず、どちらにするか選んでいただくとよいでしょう。
- アソートカラーにする場合 ⇒ 他の家具や床の色を意識して、同系色のものを選ぶ
- アクセントカラーにする場合 ⇒ 空間の差し色になる、目立つ色のものを選ぶ
アクセントカラーにする場合は、どんな色のものを選ぶとよいのでしょうか?
たとえばベースカラーにホワイト、アソートカラーにグレーを配色したモダンスタイルのお部屋ならどうでしょうか。
―― きっと、黒い革張りのカウンターチェアがアクセントになってくれるでしょう。
ベースカラーにホワイト、アソートカラーにナチュラルな木の色を配色したスカンジナビアスタイルのお部屋ならどうでしょうか。
―― やさしいグリーンやマスタードイエロー、あるいは落ち着いたラベンダーのファブリックを張ったカウンターチェアが合いそうですね。
ぜひ、あなた好みのカウンターチェアをお迎えして、お気に入りの空間をつくってください。
まとめ:カウンターチェアの座りやすさは高さ・座面・背もたれ・脚で決まる
本稿では、おすすめのカウンターチェアや、カウンターチェアの選び方をご紹介しました。本稿でお伝えしたポイントを押さえていただくと、カウンターチェア選びがはかどりますよ。
ぜひ、デザインだけにとらわれず、高さや座面、背もたれ、脚などの細かい点にも着目してください。あなたに適したチェアが見つかれば、長時間であっても快適にお座りいただけるでしょう。
家具は、あなたの幸福感だけでなく、健康や生活の質にも影響を与えます。ですから、家具選びはとても大切作業です。とことんこだわって、あなたにぴったりの家具を見つけてください。